今回のブログ記事は、タイトルの内容がすべてです。
そんなの当たり前だよ、何を今さらという方はこの先を読まなくても大丈夫です。次の記事にご期待ください。
一方、タイトルを見て以下の内どれかに当てはまる方は、もう少しお付き合いください。
- 思い当たる節がある。
- 言われてみると自信がない。
- 自分で書いた英文や、翻訳ツールにかけた英文を読み返す習慣がない。
英文は大文字ではじまり、ピリオドでおわります。この形式に沿うことで、文章の区切りが明確になります。しかし、私が日本のプロジェクト現場で見てきた英文の中には、小文字ではじまったり、ピリオドがないまま、2つ以上の文章が続いているものもありました。
英語ネイティブではない私たちが英作文すると、どうしても文法間違い、誤訳、誤字脱字などが混ざり込み、分かりにくい文章になってしまうことがあります。そういった場合にも、文章の区切りさえはっきりしていれば、読み手はある程度書き手の意図を想像して解釈することができます。 しかし、文法が正しくない、誤訳や誤字脱字がある、その上どこで切れているか分からない文章だと、途端に読み解くのが難しくなります。
ピリオドを省略してしまう理由のひとつに、日本語では句点 (。)を省略する書き方があり、それと同じ感覚で英語でもピリオドも省略してしまうというのがあるのではないかと思います。
現代でも日本語で句点を省略するケースとして、例えば以下のようなものがあります。
- 俳句、短歌などの詩歌
- 手紙や挨拶文
- 賞状、感謝状、卒業証書、免状
- 項目や短いフレーズの箇条書き
特にIT文書では、物事を簡潔に表現することが求められるため、箇条書きがよく使われます。箇条書きで書くこと自体は良いのですが、たまに1つの箇条 (bullet point) に2つ以上の文が含まれているときに、最後の文だけ句点を省略した書き方を見かけます。しかし、英語で言うところの完全文になる文章は、日本語では句点、英語ではピリオドをつけることで、読み手に伝わる文章になります。*1
また、翻訳ツールを使う場合でも、翻訳する元になる日本語の文でも句点をつけるようにした方が良いです。
試しにいくつかの翻訳ツールで、句点をつけない日本語を英語にしてみたところ、この例文で自動的にピリオドをつけてくれたのは IBM の Watson だけでした(2021年11月1日)。ただし、IBM Watson がいつもピリオドをつけるわけではなく、文章が変わると今度は別の翻訳ツールがピリオドをつける場合もあるようです。
将来的には、翻訳ツールが日本語の構文を解析して、完全文と判断した場合にピリオドを補完するのが標準になってくるかもしれませんが、現時点で確実にピリオドのついた英文に翻訳するためには、日本語の文章でも句点をつけておいた方が良さそうです。