Customer と Client は Party に参加する

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Customer, Client, Account

以前のブログ記事では、「顧客」を表す英単語として、"customer"、"client"、"account" をご紹介しました。また、顧客をデータモデルに表す際に、"customer" と "account" はよくエンティティー名になりますが、"client" はあまり使われていないこともご紹介しました。

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昨日の顧客は、今日の仕入

顧客管理システム (CRM) など、自社と顧客の間の関係を中心に扱うシステムでは、顧客は "customer" または "account" だけで表せるかもしれません。しかし、サプライチェーンマネジメント (SCM) や金融などで使われる、より複雑なビジネスに対処するシステムでは、個人、企業、団体が、異なる役割になり得るようなケースを扱いたい場合があります。例えば、同一の企業が、自社から見てある時は顧客、ある時は仕入先など複数の立場になるようなケースです。

そのようなシステムを構築する際に、顧客テーブル (CUSTOMER) と仕入先テーブル (SUPPLIER) に分けて、それぞれに名前や住所などの属性を持たせてしまうと、名前や住所が変わった時に複数のテーブルを更新しないといけなくなります。顧客や仕入先としてそれぞれ異なる立場の情報を扱いつつ、同一の人格・法人格として名前や住所などの属性を1箇所で扱いたい場合があります。

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関係者、参加者、当事者を表す Party

そのようなシステムでは、Party という概念で個人・企業・団体を表すことがあります。Party には、宴会・懇親会、政党、団体・グループなどいくつか意味がありますが、関係者・参加者・当事者のような意味もあります。

一部の業界データモデルなどでは、人格・法人格を Party として表し、Customer や Client を Party が演じるロール (役割) として表します。

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FIBO のデータモデル

Party の概念を導入した業界モデルの例として、Financial Industry Business Ontology (FIBO) があります。FIBO は、金融業界の用語、概念、定義についてのオントロジー (共有されている概念化の形式的・明示的仕様) で、Enterprise Data Management Council (EDMC) が策定し、Object Management Group (OMG) で標準化されています。

以下のクラス図は、FIBO から party と customer / client の間の関係を抜き出しています。party は人や組織を表すクラスで、サブクラスに person (人)、organization (組織)、legal person (法人)があります。party は、party role (組織または個人によって演じられる役割) と関連し、party role にはサブクラスとして client や customer などがあります。つまり、人や組織が顧客という役割を演じるという関係でモデル化されています。

名前 (name) や住所 (address) のような個人や組織の属性は party 側が保持しています。

FIBO の party に関係するクラス

FIBO における party、party role、customer、client の定義は以下の通りです。

party

person or organization
(日本語訳)
人または組織
FIBO Viewer, party

party role

role played by an organization or individual that may be time bound
(日本語訳)
組織または個人が果たす役割で、期限が定められている場合がある
FIBO Viewer, party role

customer

party that receives or consumes products (goods or services) and has the ability to choose between different products and suppliers
(日本語役)
製品 (商品またはサービス) を受領または消費する参加者 (party) で、複数の製品やサプライヤーから選択できるもの
FIBO Viewer, customer

client

party that purchases professional services from, or has a formal relationship to purchase services from another party
(日本語訳)
他の参加者 (party) から専門的サービスを購入する、または他の参加者 (party) からサービスを購入するフォーマルな取り決めを交わしている参加者 (party)
FIBO Viewer, client

このように、party と party role を別クラスとして分離することで、同一の個人や組織が異なる立場になるような複雑なビジネスを扱えるようになっています。

Podcast 裏技英語インタビュー

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Podcast 裏技英語

先般、ビジネス英語 Podcast 裏技英語にインタビュー出演しました。

「裏技英語」は、外資系企業で使われる言い回しやコミュニケーション上の裏技を学べる Podcast で、イギリス人ビジネスパーソンスタンドアップコメディアンにしてコメディーバー経営者の BJ Fox、日本人お笑い芸人の石井てる美さん、オランダ人プロデューサーの Ruben が運営されています。

www.urawazaeigo.com

Podcast で紹介されきた「裏技」は、実際自分が今所属している会社でも度々ミーティングやチャットなどで耳にしたり目にしたりしていて、Podcast を聴いていなかったら知らずに意味も分からずスルーしていたと思われるものがたくさんあります。

リスナーとしては、4年以上前から聴いていたのですが、昨年から公開収録にも参加していて、運営の3人や他のリスナーさんたちとも仲良くなる機会に恵まれました。

今回、1リスナーだったにも関わらず、外資系勤務のエンジニアとしてインタビューをして頂きました。

urawazaeigo.libsyn.com

urawazaeigo.libsyn.com

インタビューは1回で収録したのですが、配信は2回に分かれています。パート1は、US で育った生い立ちに加えて IBM と Slalom の2つの外資系企業で働いた経験の話をしています。パート2は、このブログを書き始めた理由や BJ が日頃気になっている日本語の全角半角や文字化けについて話をしています。

Podcast は、Youtube の他、SpotifyApple Podcast などのプラットフォームで聴けます。実際外資系で働いている身からしても役に立つコンテンツにあふれているので、みなさまも是非一度聴いてもらえればと思います。

収録風景

収録準備中

収録後の記念写真

AirDrop で写真を交換中

Social Media

Twitter

Instagram

Customer, Client, Account の違い

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「顧客」に相当する3つの英語

B2C や B2B の ITシステムに必ずと言っても良いほど登場する概念に「顧客」があります。「顧客」は「製品やサービスを販売する相手」を意味しますが、企業や部門によっては、「お客様」、「得意先」、「取引先」のような言い方をすることもあります。

ITの文脈だと、プロダクトの UI 上に表示されたり、データベースの項目名になったりします。また、プロダクトを売り込む際の提案書など、各種文書でも使われます。

「顧客」を和英辞典で調べてみると、いくつか相当する英単語がありますが、代表的なものとしては、"customer"、"client"、"account"などがあります。ここからは、この3つの単語の違いと使い分け方を考えていきます。

Customer

"customer" は、「商品またはサービスを購入する人」を意味します。直訳すると「購入者」になります。この時の顧客は、不特定多数の顧客を指すことが一般的です。

売店、レストラン、レジャー施設、サブスクリプションベースの企業、SaaS企業などの顧客は、"customer" と呼ばれます。

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Client

"client" は、「専門的なアドバイスやサービスを依頼する人」を意味します。直訳すると「依頼人」なります。

法律事務所、会計事務所、広告代理店、デザイン事務所、コンサルティングファームなどの顧客は、"client" と呼ばれます。

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Account

"account" は、元々「記録を必要とする商取引」や「事業、銀行などでお金を保管する取り決め = 口座 (account)」を意味しており、そこから「口座を持つ顧客」の意味に転じました。

www.etymonline.com

"customer" と "client" は、メールなど顧客とのコミュニケーションで使われることもありますが、"account" はあまり顧客に向けて使われることはなく、"They are one our most important accounts" のように事業者側の内部で使われることが多いです。顧客とのやりとりで使う場合も、口座やシステムのユーザーアカウントの意味で使う場合が多いと考えられます。

"account" は、このブログでも英訳の際に注意が必要な言葉として以前紹介しました。

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データモデルにおける「顧客」の表し方

「顧客」をデータモデルに表す時、エンティティ―名として "customer" はよく使われます。「受注」と「発注」の記事で紹介した Microsoft SQL Server のサンプルデータベース、AdventureWorks と Wide World Importers でも、Customer テーブルがあります。AdventureWorks は大規模多国籍製造企業、Wide World Importers はノベルティ商品の輸入と販売を行っている卸売業者として、どちらも "customer" を顧客として持つタイプの業態です。

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AdventureWorks

AdventureWorks サンプル データベース - SQL Server | Microsoft Learn

Wide World Importers

Wide World Importers - SQL 用のサンプル データベース - SQL Server | Microsoft Learn

一方、"client" はあまりデータベースのテーブル名としては使われないようです。"client" を顧客として持つタイプの業態も "customer" を使うか、代わりに "account" を使うこともあります。

私が現在所属している会社はコンサルティングファームなので、契約書に相当する Statement Of Work (SOW) などでは、お客様を指して "client" の語を使っています。社内では Customer Relationship Management (CRM) のツールとして Salesforce を使っていますが、Salesforce では顧客に相当するエンティティ―として "Account" が使われています。コンサルティングファームでは、お客様と長期的な関係を築き、プロジェクトをいくつも提案・実行していくことから、商取引を記録していくという意味に由来する "account" は CRMシステムで用いるエンティティ―名としては自然な使い方と言えます。

https://architect.salesforce.com/assets/images/data-models/sales-cloud-overview-data-model.png

Overview | Salesforce Architects

デグレを degrade と訳しても通じない

Photo by Tim Gouw

デグレード」は和風英語

ソフトウェアを更新した際に、新たに埋め込まれたバグなどによってそれまで正常に動作していた機能に不具合が生じたりすることを、日本のIT業界ではよく「デグレした」という言い方をします。「(品質などが)低下する」意味の "degrade" (デグレード) に由来しています。

日本語で書かれた情報工学の論文を調べてみると、ソフトウェアの文脈での「デグレード」は 1970年代頃には登場しており、IT業界では早い段階から使われてきた言葉のようです。

大島裕, ソフトウェア・エンジニアリング:ソフトウエアの信頼性, 情報処理, 1975.

菅野文友, 設計べからず集-13-コンピュータ・ソフトウエア作成におけるデグレード防止について(設計のページ), 品質管理 29 (11), pp.1406-1410, 1978.

機能が正常に動作することもひとつの品質特性のため、一見 "degrade" と言っても良さそうに思えますが、英語圏の人が "degrade" を見ると、応答時間の遅延のような非機能の品質低下を想像します。また、ソフトウェアの変更のように何かのきっかけで品質が低下するという意味もありません。

そのため、「デグレ」を "degrade" と訳しても、日本語と同じ意味では通じません。

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英語では「regression (リグレッション)」

では、英語圏で同じことを何と表現するかというと、"regression" と言います。日本語では「回帰」とも訳されますが、「以前の、あまり進歩していない、あるいは悪化した状態、状況、振る舞い方に戻ること」という意味になります。

日本のIT業界だと、「リグレッションテスト」や「(リグレッションテストを行うための) リグレッション環境」のように、テストの文脈で使われることが多いようです。

International Software Testing Qualifications Board (ISTQB) や Japan Software Testing Qualifications Board (JSTQB) では、ソフトウェアの文脈における regression / リグレッションを以下のように定義しています。

Regression testing: It is possible that a change made in one part of the code, whether a fix or another type of change, may accidentally affect the behavior of other parts of the code, whether within the same component, in other components of the same system, or even in other systems. Changes may include changes to the environment, such as a new version of an operating system or database management system. Such unintended side-effects are called regressions. Regression testing involves running tests to detect such unintended side-effects.
International Software Testing Qualifications Board, Certified Tester Foundation Level (CTFL) Syllabus Version 2018 v3.1.1

リグレッションテスト:修正および変更でコードの一部に対して行った変更が、同一コンポーネント、同一システム内の他コンポーネント、または他システムの振る舞いに意図せず影響を及ぼす場合がある。変更には、オペレーティングシステムやデータベース管理システムの新しいバー ジョンなど、環境の変更も含まれる。そのような意図しない副作用をリグレッションと呼ぶ。リ グレッションテストでは、テストを実行して、そのような意図しない副作用を検出する。
International Software Testing Qualifications Board, テスト技術者資格制度 Foundation Level シラバス Version 2018V3.1.J03

デグレード」は日本では広く通用するだけに注意が必要

デグレード」は日本のIT業界では英語圏における「regression (リグレッション)」の同義語として広く通用する言葉になっており、以下のようなソフトウェアテストやソフトウェア品質の専門家による記事でも、英語圏では "regression" の言葉を使うという但し書きをしつつ、あえて「デグレード」を使っています。

デグレ(デグレード)とは|デグレのリスクや原因、対策 - SHIFT ASIA -ソフトウェア品質保証のプロフェッショナル-

ソフトウェア開発者を悩ませる「デグレード(デグレ)」とは?原因と対策方法【テスト技法・工程 】| Qbook

しかし、英語でIT文書を書く際には、"degrade" は通じないため、"regression" を使うようにしましょう。

海外エンジニアがチャットやコメントでよく使う略語

Photo by Mikhail Nilov

日本と海外のエンジニアに見る略語の使い方の違い

日本の IT業界では、プレゼン、リスケ、スキトラ、ステコミなど、カタカナ略語がよく使われますが、英語圏でも省略形は使われます。ただし、日本語の省略形は単語を短くすることが多いのに対して、英語ではフレーズの各単語の頭文字で表す頭字語がよく使われます。

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今回は、Slack や Teams などのチャット、Pull Request (PR)のコメントなどで、海外のエンジニアがよく使う略語をご紹介します。

チャットやコメントで使われる略語

AFAIK: as far as I know

意味: 私の知る限りでは、私の知っている範囲では

自分では正しいと信じているものの 100% の確信がない時に、文章の先頭か末尾に付加して使います。万が一間違っている情報が正しい情報として伝わらないように予防線を張っているところがエンジニアらしいですね。関西弁で言うところの「知らんけど」です。

  • AFAIK, there are no changes to the plan. (私の知る限りでは、計画に変更はありません。)
  • Project end is next May 31, AFAIK. (私の知る限りでは、プロジェクトの終わりは5月31日です。)

aka: also known as

意味: ~としても知られている、別名~

"(あまり知られていない)正式名または本名 aka (よく知られている)別名" の形式で使います。

  • Amazon Elastic Compute Cloud aka EC2

ASAP: as soon as possible

意味: できるだけ早く

IT現場以外でも英語がよく使われる外資系企業などでは昔からよく使われてきた略語です。やや命令口調のニュアンスもあるため、社外の人や上司などに対しては使わない方が良い表現です。

  • Please review and approve the PR, ASAP. (大至急、PR のレビューと承認をお願いします。)

brb: be right back

意味: すぐ戻ります

"I'll be right back." の省略形 "be right back." をさらに頭字語にしたものです。オンラインミーティングを中座する時に使います。たぶんトイレに行ってます。

BTW: by the way

意味: ところで、ちなみに、なお

話題を変えるときに使います。

  • BTW, I wanted to thank you for your help last week. (ところで、先週は大変お世話になりました。)

FYI: for your information

意味: ご参考までに、参考情報として、ちなみに

こちらも外資系企業などでは一般的に使われてきた略語です。チャットが普及する以前もメールの件名や、メールを転送する時に書き足すような使われ方をしてきました。

  • FYI, the company is implementing a new expense reimbursement process starting next month. (参考までに、同社は来月から新しい経費精算プロセスを導入します。)

IMO: in my opinion / IMHO: in my humble opinion

意味(IMO): 私の考えでは、思いますに、私見では
意味 (IMHO): 私に言わせていただければ、私のつたない意見としては、僭越ながら申し上げると

個人的な意見や見解を述べる際に使います。

謙虚や謙遜の意味の humble が加わると、さらにへりくだった言い方になります。

  • IMO, the team's performance exceeded expectations. (私の考えでは、チームのパフォーマンスは期待以上だった。)
  • IMHO, being open to different perspectives fosters a more inclusive environment. (私に言わせていただければ、異なる視点に対してオープンであることは、よりインクルーシブな環境を醸成すると考えています。)

LGTM: looks good to me

意味: 私には良く見える、いい感じ

PR のレビューなどで使われます。2000年代に Google で使われ始めたと言われています。上位者による承認というよりは、同僚によるピアレビューのニュアンスがあります。

一時期、Qitta の「いいね」機能としても採用されていたため、日本のエンジニアにも知られた略語かと思います。なお、現在では「LGTM」から「いいね」に戻っています。

Qiitaの「いいね」が「LGTM」に変わります - Qiita Blog

Qiitaの「LGTM」を「いいね」に戻します - Qiita Blog

LMK: let me know

意味: 知らせてください、教えてください、お知らせください

相手や周りの意見を求める際に使います。後述の WDYT より少し柔らかな表現です。

  • I created a draft architecture, LMK your thoughts. (アーキテクチャーをドラフトしたので、ご意見ください。)

Nit: nitpick

意味: 細かいですが、重箱の隅をつつくようですが

主にコードレビューで使われる略語です。コード全体の品質に大きな影響を及ぼすものではない、些末な問題を指摘する際にレビュアーが使います。レビューコメントの先頭に "nit: " と付けて使われることが多いです。

  • Nit: this bracket should be placed on a new line (nit: このカッコの前には改行を入れるべき)

シラミの卵 (nit) を摘み取る (pick) という意味から転じて、「あら探しをする」「重箱の隅をつつく」という意味の "nitpick" を省略した言葉です。

nit なレビューコメントはリリースするスピードを重視して、実装者の判断により無視しても良いとしている組織もありますが、nit: とつけておきながら修正しないと承認してくれないレビューアーもいます。

What is a "Nit" in a code review?

The Standard of Code Review | eng-practices

ntd: need to drop

意味: 抜けます、落ちます

次の予定などがあって、自分だけオンラインミーティングを抜けなければいけないような時に使います。

TBD: to be decided, to be determined

意味: 将来決定する、未定

未定、未決定、未確定の事柄を示す際に使います。チャットやコメントだけでなく、文書でもよく使われます。

  • The release date of the product is TBD. (プロダクトのリリース日は未定です。)

TBH: to be honest

意味: 正直に言うと、率直に言うと、はっきり言って、ぶっちゃけ

率直な考えを伝える時に使います。ややカジュアルなニュアンスがあるため、信頼関係のある相手に対して使います。

  • TBH, I think we should reconsider our approach. (率直に言うと、アプローチを再検討すべきだと思います。)

TL;DR: too long; didn't read

意味: 長過ぎ。読んでない。、長文うざい

長文に対して読んでいないことを皮肉を込めて伝える表現です。そこから転じて、長文の要約を示す際にも使われます。

英語圏でもインターネットスラングの域をまだ出ていない表現で、やや相手を小馬鹿にしたようなニュアンスも含むので、オフィシャルな場では使うのを避け、使う場合も信頼関係のある相手に限った方が良いです。

TTYL: talk to you later

意味: あとでまた話そう、ではまた、またね

チャットを一旦終えるような時に使います。あとで実際に話すこともあれば、単なる挨拶の場合もあります。

WDYT: what do you think

意味: どう思う?

相手や周りの意見を求める際に使います。前述の LMK より答えを求める意思が明確なニュアンスがあります。

  • WDYT about the latest technology trends? (最近の技術トレンドについてどう思いますか?)

略語を使う際の注意点

今回ご紹介した略語の内、例文のないものは単独で使われることが多いものになります。

また、頭字語は一般的に大文字で書きますが、カジュアルなチャットでは小文字のままで使われることもあります。例えば、brb や ntd とだけ打ち込んでいなくなる場面もよく見かけます。

Pager が鳴らなくて

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本番システム運用の携行品

IT業界で働き始めて20数年経ちますが、これまでのキャリアでは主にアプリケーションの新規開発や再構築に携わってきたため、システムの移行までは経験しているものの、安定して本番稼働した後のシステムの保守や運用に関わる機会はあまりありませんでした。ただ、最近になってはじめて既に本番稼働しているシステムのコードに触る仕事に携わっています。その一環として、スマートフォンに Pager アプリをインストールすることになりました。

Pager アプリとは、本番障害などシステムに緊急を要する事態が発生した際などに、担当者のスマートフォンにアラームを通知するアプリです。スマートフォンから少し離れていたり、就寝中も気付けるように、かなりけたたましい大きな音が鳴ります。

Photo by iddea photo

Pager とはポケベルのこと

Pager は、今でこそスマートフォンのアプリになっていますが、スマートフォンさらに言うと携帯電話が普及する前は、通知の受信専用の小型デバイスを指していました。外出中のビジネスパーソンと連絡をとるために使われていましたが、日本では「ポケットベル」略して「ポケベル」の通称で1990年代に若い世代を中心に流行しました。

www.soumu.go.jp

Photo by のぽぽん

動詞としての page

英語での "page" は動詞でもあり、「〔館内放送・ポケットベルなどで人を〕呼び出す、〔館内放送・ポケットベルなどで人に〕連絡する」という意味があります。日常生活では、例えばホテルのフロントで人を呼び出すような時などに使いますが、Pager デバイスやアプリを使って呼び出しをすることも "page" と言います。

The Engineering Manager will page the software engineer in case of critical system failures.
(日本語訳)
重大なシステム障害が発生した場合、エンジニアリングマネージャーがソフトウェアエンジニアに連絡します。

page の語源

「呼び出す、連絡する」という意味での動詞の "page" は、中世ヨーロッパの貴族に仕えていた小姓もしくは使者を意味する "page" または "page boy" からきています。小姓や使者を遣わして誰かにメッセージを伝えるところから動詞にもなりました。

現代では、結婚式で指輪を運ぶ役割の男の子のことも "page boy" と呼ばれます。

page | Etymology of page by etymonline

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「○○以上」は “○○+” と表現する

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「以上」は "or higher" や "or above"

皆さんの職場の中で、何らかの職務を担うのに職位や資格などを条件にしているものはありませんでしょうか?

例えば、次のような条件です。

  • 海外出張は、TOEIC 600点以上を必要とする。
  • 採用面接は、マネージャー以上が行う。

「海外出張」や「採用面接」は職務で、「TOEIC の点数」や「マネージャー」はそれぞれ資格と職位です。

資格や職位に続いている「以上」は、"or higher" や "or above" のように表現することで、次のように英訳できます。

  • TOEIC score of 600 or higher is required for overseas business trips.
  • Hiring interviews will be done by Managers or above.

Photo by Tima Miroshnichenko

"up" は和製英語

"or higher" や "or above" は英語として正しいのですが、2文字で表現できる日本語の「以上」に比べて長いので、たまに "up" という表現を耳にしたり、見かけたりすることがあります。例えば、"TOEIC 600 up" や "Manager up" のような表現です。

この "○○ up" という表現は、日本語の会話や文章の中でよく見かけるのですが、英語圏の人からはあまり聞いたことがありません。おそらく和製英語の一種ではないかと考えています。

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"or higher" や "or above" の省略形は "+"

英語圏では「以上」に相当する表現として、"○○+" という書き方があります。"TOEIC 600+" や "Manager+" のように書きます。スペースが限られた書式や文章を短くしたい時に、"or higher" や "or above" の代わりに "+" を使うことができます。

プラス記号は数字だけに付加できるような印象もありますが、Manager > Senior Manager > Partner > Senior Partner のように順列があるようなものであれば、"Manager or above" と同じ意味を表現することができます。