英語にするのが難しい日本語⑥「桁数」

Image by Ahmad Ardity from Pixabay

項目長を表す言葉としての「桁数」

DBテーブル定義書、インターフェース定義書、画面定義書、帳票定義書などで、データや入出力項目の項目長を示すために、日本語で「桁数」という表現を用いることがあります。例えば、DBテーブル定義書として、以下のような仕様書を作ったり、使ったりしたこともあるかと思います。

No 列名 桁数 PK null許容
1 customer_id 固定長文字列 16 Yes
2 first_name 可変長文字列 255
3 last_name 可変長文字列 255
4 middle_name 可変長文字列 255 Yes
5 birth_year 数値 4 Yes
6 activebool ブール 1
7 last_update 日付時刻 8

項目長は桁数とは限らない

「桁数」は本来「数字の桁の長さ」という意味ですが、日本語の仕様書では、文字列長など数値ではない項目の長さを示す際にも「桁数」と書くことがあります。

「桁数」をそのまま英語にすると "number of digits" になるため、そのように訳された仕様書をたまに見かけます。しかし、英語の "digit" は「数字」や「(数字の)桁」の意味になるため、文字列長に "digit" を使った場合、英語圏の人には日本語で「桁数」と書く以上に違和感のある表現になります。

文字列の長さを表す場合は、日本語では「文字数」や「文字列長」と書いておき、英語では "number of characters" もしくは "character length" とするのが良いでしょう。

もし、最初にあげたDBテーブル定義書の例のように、項目長を示す対象が、数値、文字列、もしくはその他のデータになる場合は、単に「長さ」と書いて、英語では "length" や "data length" と書くと汎用的な表現になります。

No Column Name Data Type Data Length PK nullable
1 customer_id char 16 Yes
2 first_name varchar 255
3 last_name varchar 255
4 middle_name varchar 255 Yes
5 birth_year numeric 4 Yes
6 activebool boolean 1
7 last_update date/time 8