会社名や製品名は大文字・小文字を含めて正しく書こう。

(2021-10-25 追記)
ITの世界では似たような名前の会社、製品、技術がたくさんあります。

また、ある国ある業界では有名な会社名・製品名であっても、別の国や別の業界ではあまり知られていなかったり、よく似た名前の別の会社や製品が存在する可能性もあります。

(2021-10-25 追記 special thanks to T.T.)
例えば、Swift と書かれている場合、モバイル開発者であれば iOSmacOS の開発言語を想像するかもしれません (1)。しかし、銀行システムの Request for Proposal (RFP)で SWIFT と書かれていたら、それは国際銀行間通信協会 (Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication) のことか、その団体が運営する金融ネットワークのことを指しているかもしれません (2)。また、Apple の開発言語とは別に、シカゴ大学が開発し、科学計算の分野などで用いられる Swift という並列スクリプト言語もあります (3)。他にも、OpenStack のオブジェクトストレージのプロジェクト名も Swift です。(4)

(1) Swift - Apple Developer

(2) Homepage | SWIFT - The global provider of secure financial messaging services

(3) The Swift Parallel Scripting Language

(4) Open Source Cloud Computing Platform Software - OpenStack

近所の書店で偶然撮影。1冊だけ仲間はずれがいました。

ちなみに swift は”敏速な"という形容詞であると共に、アマツバメという鳥の科名でもあるので、Apple の開発言語、シカゴ大学の並列スクリプト言語、OpenStack のオブジェクトストレージは、ロゴに鳥のマークが使用されています。

Image by TheOtherKev from Pixabay

別な例では、Trade360 はカナダ企業のCGI社が提供する貿易金融 Software as a Service (SaaS) の名称であると同時に (4)、キプロスに所在するクラウドトレーディングの会社のブランド名やアプリ名にもなっています (5)。前者の Trade360 は、ユーザーの間では略して T360 と呼ばれることがあります。実はこの略称とよく似た 360T という名前で、ドイツ企業の 360 Treasury Systems AG社が提供しているFXソリューションがあります (6)。以前、同じ銀行が Trade360 と 360T の両方を利用していたこともあったため、前者しか知らなかった私は、”なぜトレジャリー(資金調達)業務で貿易金融の SaaS を使っているんだろう?”と勘違いして混乱したことがあります。

(4) CGI Trade360 | CGI.com

(5) Forex Broker | Online Trading Platform | Trade360

(6) 360t

Image by Gerd Altmann from Pixabay

このように同じ名前や似た名前があった場合にも、例えば "CGI Trade360" のように、正式名称と共に会社名などを添えて書くことで、仮に読み手がその製品を知らなくてもインターネットで検索して調べる際の助けになります。

また、会社によっては商標の一覧や商標利用のガイドラインを公開していますので、正式名称を調べることができます。商標ページが見つからない場合も、会社が発行しているホワイトペーパーなどで正式名称を調べて使うようにしましょう。

商標
IBM Copyright and trademark information | IBM
Trademark and Brand Guidelines | Microsoft Legal
AWS Trademark Guidelines

ちなみに今回挙げた2つの例は、日本では両方ともクルマの名前にもなっています。
ITに限らずとも使いやすい名前のようですね。

www.suzuki.co.jp

ja.wikipedia.org