IT業界の和製英語「バージョンアップ」

バージョンアップは和製英語
オペレーティングシステム (OS)、ファームウェア、アプリケーションなどといったソフトウェアのバージョンを新しいバージョンに更新することを、よく「バージョンアップ」と言います。大規模なシステムのソフトウェアのバージョンを更新する場合は、それ自体がプロジェクトになることもあり、「***システム基盤OSバージョンアッププロジェクト」のようなプロジェクト名がつけられることもあります。
この「バージョンアップ」は和製英語だと言われています。
バージョンアップとは、コンピュータのソフトウェア製品などの機能や性能を改良・向上させて新しい版にすることです。英語の version は「版」のことです。up は上方向を示しますが、通常動詞と結びついて使いますので、バージョンアップは正しい表現ではありません。「新版にすること」を英語では an upgrade といいます。具体的に「最新の版にする」というなら、upgrade を動詞に使って、upgrade to the new (est) version と表します。また、従来の物を改訂・改良することをも意味しますが、その場合は改訂版 a revised version となります。
亀田尚己・青柳由紀江・J. M. クリスチャンセン, 和製英語事典, 丸善出版, 2014.
例えば、「従業員の PC をすべて年内に Windows 11 にバージョンアップする。」という日本語文は、"Upgrade all employee PCs to Windows 11 by the end of the year." という英文になります。
"Version up all employee PCs to Windows 11 by the end of the year." は、英語圏の人も意味を汲みとってくれる可能性はありますが、相当ぎこちない表現として受け取られるでしょう。
upgrade と update の違い
ソフトウェアを更新をする意味の言葉として、upgrade の他に update という言い方もあります。2つの言葉の違いを英語の記事で見てみます。
A software update, which is sometimes called a software patch, is not the same thing as a software upgrade. An update is generally an enhancement to the current version of the software or application, while an upgrade is a whole new version of it. Updates are usually free and simple to install. Often, you must pay for upgrades, and they're more complicated to install.
(日本語訳)
ソフトウェアパッチとも呼ばれるソフトウェアのアップデートは、ソフトウェアのアップグレードとは異なります。アップデートは、通常ソフトウェアやアプリケーションの現行のバージョンを強化するもので、アップグレードは全く新しいバージョンになります。アップデートは通常無料で、インストールするのも簡単です。多くの場合、アップグレードは有料で、インストールも複雑です。
The Difference Between Software Updates and Upgrades
Update is a process of enhancing certain parts of the same application or software like security updates to deal with the newly discovered vulnerabilities so patches are released and users can download the updates to make the software more secure.
Upgrade can be defined as a process of shifting to a newer version of any existing application or software. This definition is in context to the computer science field. For example, we upgrade our windows whenever any latest version comes in the market because the newer version contains certainly more features than the older one.
(日本語訳)
アップデートは、新たに発見された脆弱性に対処するためのセキュリティアップデートのように、同じアプリケーションやソフトウェアの特定の部分を強化するプロセスです。パッチがリリースされることにより、ユーザーはソフトウェアをより安全にするためのアップデートをダウンロードすることがでます。
アップグレードは、既存のアプリケーションやソフトウェアを新しいバージョンに移行するプロセスと定義できます。これは、コンピュータサイエンス分野の文脈に沿った定義です。例えば、新しいバージョンが市場に出荷される度に、私たちは Windows をアップグレードします。これは、新しいバージョンが古いバージョンよりも多くの機能を搭載しているためです。
Difference between Update and Upgrade - GeeksforGeeks
これらは、update と upgrade の違いを説明した2つの例ですが、他にも似たような説明をした記事がいくつかあります。つまり、バージョンが新しいものに変わる場合は "upgrade"、変わらない場合は "update" を使います。
そのため、バージョンが変わることを示唆している日本語の「バージョンアップ」は、"version upgrade" もしくは単に "upgrade" と表現するのが良さそうです。
無料で参照できる英語の要件定義書テンプレート

要件定義書は Requirements Document か Business Requirements Document
日本語でいう要件定義書 (要求定義書) は、英語では Requirements Document や Business Requirements Document と言います。直訳すると要件定義書と業務要件定義書ですが、日本語で両者がほぼ同義的に使われることがあるのと同様に、英語でも両者が区別されることもあれば、同義的に使われることもあります。
今回は、主に海外の Webサイトで公開されている Requirement Document のテンプレートをご紹介します。
How to Write a Business Requirements Document | AltexSoft
英語の要件定義書テンプレート
TechWhirl
TechWhirl は、テクニカルライター向けのオンラインマガジンで、リンク先の記事からはソフトウェア開発やその他のITプロジェクトで使用できる Microsoft Word 形式の要件定義書テンプレートをダウンロードできます。日本企業の要件定義の標準でも見られるような項目を含む章立てになっています。
- Document Revisions / 改訂履歴
- Approvals / 承認者
- Introduction / 前書き
3.1 Project Summary / プロジェクト概要
3.1.1 Objectives / 目的
3.1.2 Backgrounds / 背景
3.1.2.1 Business Drivers / ビジネスドライバ
3.2 Project Scope / プロジェクトスコープ
3.2.1 In Scope Functionality / スコープ内の機能
3.2.2 Out of Scope Functionality / スコープ外の機能
3.3. System Architecture / システムアーキテクチャ
3.3.1 Assumptions / 前提
3.3.2 Constraints / 制約
3.3.3 Risks / リスク
3.3.4 Issues / 課題- Business Process Overview / ビジネスプロセス概要
4.1 Current Business Process (As-Is) / 現行ビジネスプロセス (As-Is)
4.2 Proposed Business Process (To-Be) / 将来ビジネスプロセス (To-Be)- Business Requirements / 業務要件
5.1 Functional Requirements / 機能要件
5.2 Non-Functional Requirements / 非機能要件- Appendices / 付録
6.1 List of Acronyms / 略語一覧
6.2 Glossary of Terms / 用語集
6.3 Related Documents / 関連文書
Stanford University
スタンフォード大学の IT Project Management Office では、要件定義書以外にもプロジェクトのライフサイクルで必要な文書のテンプレートを Microsoft Office 形式および Google Workspace 形式で提供しています。TechWhirl と比べると、機能要件、非機能要件共に、一段詳細化した章立てになっています。
- Introduction / 前書き
1.1. Purpose of the Document / 本文書の目的
1.2. Document Conventions, Terms, and Definitions / 文書規約、用語、定義
1.3. Intended Audience and Reading Suggestions / 想定読者と本書の読み方
1.4. Scope / スコープ
1.4.1. Project Scope / プロジェクトのスコープ
1.4.2. Business Requirement Document Scope / ビジネス要件書のスコープ
1.5. References / 参考- Overall Description / 全体概要
2.1. Project Overview / プロジェクト概要
2.2. Product Features / プロダクトのフィーチャ
2.3. User Classes and Characteristics / ユーザの分類と特徴
2.4. Operating Environment / 運用環境
2.5 Design and Implementation Constraints / 設計と実装の制約
2.6. User Documentation / ユーザ文書
2.7. Assumptions, Dependencies, and Risks / 前提、依存関係、リスク- System Features / システムのフィーチャ
3.1. << Name of System Feature #1 >> / <<システムのフィーチャ名 #1>>
3.1.1. Description / 説明
3.1.2. Stimulus/Response Sequences / 刺激応答シーケンス
3.1.3. Functional Requirements / 機能要件
3.1.3.1. Use Cases / ユースケース- External Interface Requirements / 外部インタフェース要件
4.1. User Interface / ユーザインタフェース
4.2. Hardware Interfaces / ハードウェアインタフェース
4.3. Software Interfaces / ソフトウェアインタフェース
4.4. Communications Interfaces / 通信インターフェース
4.5. Reporting Requirements / 帳票要件- Other Nonfunctional Requirements / その他の非機能要件
5.1. Performance Requirements / パフォーマンス要件
5.2. Security Requirements / セキュリティ要件
5.3. Data Requirements / データ要件
5.4. Software Quality Attributes / ソフトウェア品質特性- Other Requirements / その他の要件
- Campus Readiness and Training / キャンパスの準備とトレーニング
Appendix A: Glossary / 添付A: 用語集
Appendix B: Analysis Models / 添付B: 分析モデル
Appendix C: Issues List / 添付C: 課題一覧
Appendix D: Screenshots, Mock-Ups, and Live Links / 付録D: スクリーンショット、モックアップ、リンク
Appendix E: Test Scenarios / 付録E. テストシナリオ
Government of British Columbia
カナダのブリティッシュコロンビア州政府の Web サイトで参照できる要件定義書テンプレートは、要件を機能要件、データ要件、非機能要件、インタフェース要件と分けており、理解しやすい構造になっています。
Business Requirements Document (BRD) Template
- INTRODUCTION / 前書き
1.1. DOCUMENT PURPOSE / 当文書の目的
1.2. INTENDED AUDIENCE / 想定読者
1.3. PROJECT BACKGROUND / プロジェクトの背景
1.4. PURPOSE OF THE BUSINESS REQUIREMENTS / 業務要件の目的
1.5. BUSINESS GOALS/OBJECTIVES TO BE ACHIEVED / ビジネス目標/達成すべき目的
1.6. BENEFITS/RATIONALE / 効果/根拠
1.7. STAKEHOLDERS / ステークホルダー
1.8. DEPENDENCIES ON EXISTING SYSTEMS / 既存システムとの依存 1.9. REFERENCES / 参考
1.10. ASSUMPTIONS / 前提- REQUIREMENTS SCOPE / 要件のスコープ
2.1. IN SCOPE / スコープに含まれること
2.2. OUT OF SCOPE / スコープに含まれないこと- FUNCTIONAL REQUIREMENTS / 機能要件
3.1. ACTOR PROFILES SPECIFICATION / アクタープロファイル仕様
3.2. ESSENTIAL USE CASE DIAGRAM / 主要なユースケース図
3.3. ESSENTIAL USE CASE SPECIFICATIONS / 主要なユースケース仕様
3.4. FUNCTION HIERARCHY DIAGRAM / 機能階層図
3.5. FUNCTION DEFINITION REPORT / 機能定義記述
3.6. BUSINESS RULES / ビジネスルール- DATA REQUIREMENTS / データ要件
4.1. DATA ARCHITECTURE / データアーキテクチャ
4.1.1. Domain Class Diagram / ドメインクラス図
4.1.2. Entity Relationship Diagram / 実体関連図 (ER図)
4.2. DATA VOLUMES / データボリューム
4.3. DATA CONVERSION / データ変換
4.4. DATA RETENTION AND ARCHIVING / データの保持とアーカイブ
4.5. FOI/PRIVACY IMPLICATIONS / 情報公開/プライバシー関連
4.6. DATA DEFINITION REPORTS / データ定義記述
4.6.1. Domain Class Definition Report / ドメインクラス定義記述
4.6.2. Entity Definition Report / エンティティ定義記述- NON-FUNCTIONAL REQUIREMENTS / 非機能要件
5.1. SECURITY REQUIREMENTS / セキュリティ要件
5.1.1. Authentication / 認証
5.1.2. Authorization and Access Controls / 認可とアクセス制御
5.1.3. Information Security Classification and labeling / 情報セキュリティ分類とラベリング
5.2. AVAILABILITY REQUIREMENTS / 可用性要件
5.3. USABILITY REQUIREMENTS / ユーザビリティ要件
5.4. SYSTEM HELP REQUIREMENTS / システムヘルプ要件
5.5. PERFORMANCE REQUIREMENTS / パフォーマンス要件
5.6. SCALABILITY REQUIREMENTS / スケーラビリティ要件
5.6.1. User Scalability / ユーザスケーラビリティ
5.6.2. Application Scalability / アプリケーションスケーラビリティ- INTERFACE REQUIREMENTS / インタフェース要件
6.1. USER INTERFACE REQUIREMENTS / ユーザインタフェース要件
6.2. SYSTEM INTERFACE REQUIREMENTS / システムインタフェース要件- BUSINESS GLOSSARY / ビジネス用語集
APMS UPDATE / APMS更新
REVISION LOG / 改訂履歴
APPENDICES / 付録
APPROVAL / 承認
ビジネスプロセスで使うべき動詞、使うべきでない動詞
(2023-08-28 更新)
英語圏ではビジネスプロセスを「動詞 + 名詞」で命名する
前回のブログ記事では、英語圏においてビジネスプロセスのアクティビティーやタスクは、「動詞 + 名詞」で命名することがベストプラクティスとされていることを紹介しました。
その理由として、アクティビティーやタスクの名前にその実行者を主語として加えると、「主語 (S) + 動詞 (V) + 目的語 (O)」の第3文型の完全文となり、英語の読み手にとって理解しやすい構文になることを考察しました。
実行者: Patient
タスク名: Send Doctor Request
完全文: Patient sends doctor request. (患者は診察依頼を送信する。)
一方、日本語ではアクティビティーやタスクを「名詞 + 名詞」で命名することも多く、そのまま英訳すると英語圏の人にとっては理解しにくい表現になってしまうことも紹介しました。
NRS Business Process Standards and Guidelines using BPMN
(2023-08-28 更新)
ビジネスプロセスをどのような動詞で命名すれば良いかについては、カナダのブリティッシュコロンビア州が作成した "NRS Business Process Standards and Guidelines using BPMN" が参考になります。Business Process Model and Notation 2.0 (BPMN 2.0) の利用標準ガイドラインである同文書では、ビジネスプロセスにおける命名で使うべき動詞を一覧しています。
NRS Business Process Standards and Guidelines using BPMN
今回は、同文書で推奨されている動詞を日本語訳と共に紹介します。
ビジネスプロセスで使うべき動詞
A~E
| 動詞 (英語) | 動詞 (日本語) | 動詞 (英語) | 動詞 (日本語) |
|---|---|---|---|
| Accept | 引き受ける 受諾する 受理する 受け入れる |
Decide | 裁定する 決める |
| Adapt | 順応させる | Define | 定義する |
| Adopt | 採用する 導入する |
Deliver | 配達する 届ける 納品する 配信する 供給する 送る 引き渡す 交付する |
| Align | 調整する 調節する |
Deploy | 配備する 配置する 展開する |
| Allocate | 割り当てる 計上する 配分する |
Describe | 記述する 説明する 描写する 表現する |
| Apply | 適用する | Design | 設計する デザインする |
| Approve | 承認する | Determine | 決定する 確定する 特定する 判定する 判断する |
| Arrange | 準備する 手配する |
Develop | 開発する |
| Assess | 評価する | Discuss | 議論する |
| Assign | 割り当てる | Distribute | 分配する 区分する 割り振る |
| Authorize | 認可する 許可する |
Divide | 分割する |
| Begin | 開始する | Enable | 可能にする 有効にする |
| Build | 構築する | Enter | 入力する |
| Calculate | 演算する 計算する |
Establish | 設置する 制定する 確立する |
| Capture | 取り込む キャプチャーする |
Estimate | 見積もる |
| Categorize | 分類する | Evaluate | 評価する 査定する |
| Change | 変更する | Examine | 観察する 分析する 検査する |
| Choose | 選択する | Execute | 実行する |
| Circulate | 回覧する 配布する |
Expedite | 促進させる |
| Clarify | 明確化する | Explore | 探索する 調査する |
| Classify | 分類する | ||
| Close | 分類する | ||
| Combine | 結合させる | ||
| Compile | 蓄積する 集める 編集する コンパイルする |
||
| Complete | 完了する | ||
| Conduct | 実施する | ||
| Confirm | 確認する | ||
| Construct | 組み立てる 建設する 構築する 構成する |
||
| Continue | 継続する | ||
| Control | 制御する | ||
| Convert | 変換する | ||
| Coordinate | 統合する まとめる 調整する 連係させる 整理する |
F~J
| 動詞 (英語) | 動詞 (日本語) | 動詞 (英語) | 動詞 (日本語) |
|---|---|---|---|
| Facilitate | 促進する 円滑に進める |
Identify | 識別する |
| Finish | 終える | Implement | 実行する 実装する |
| Focus | 注目する フォーカスする |
Improve | 改善する |
| Forecast | 予想する 予測する 予報する 予定する |
Include | 含める |
| Form | 形成する | Increase | 増やす 高める 拡大する |
| Forward | 転送する 送付する |
Initiate | 始める 開始する 起動する |
| Foster | 発展させる 育成する 助長する |
Integrate | 統合する |
| Gather | 収集する | Interview | インタビューする |
| Generate | 生成する | Involve | 取り込む 参加させる |
| Group | グループ化する | Issue | 発行する |
| Guide | ガイドする |
K~O
| 動詞 (英語) | 動詞 (日本語) | 動詞 (英語) | 動詞 (日本語) |
|---|---|---|---|
| Launch | 始める 開始する 起動する |
Name | 命名する |
| Leverage | 利用する 活用する |
Navigate | 航行する 操縦する 操舵する |
| License | 認可する 使用権を認める 使用許可を与える |
Notify | 通知する |
| Link | リンクする | Obtain | 取得する |
| Load | ロードする | Offer | 提示する 提供する 提案する |
| Locate | 探す | Open | 開く |
| Maximize | 最大化する | Operate | 操作する |
| Measure | 計測する | Optimize | 最適化する |
| Minimize | 最小化する | Order | 注文する |
| Modify | 修正する 変更する |
Organize | 編成する 構造化する 体系化する 企画する |
| Move | 移動する |
P~Z
| 動詞 (英語) | 動詞 (日本語) | 動詞 (英語) | 動詞 (日本語) |
|---|---|---|---|
| Perform | 実行する 遂行する |
Scan | スキャンする |
| Plan | 計画する | Schedule | スケジュールに入れる 予定を決める |
| Prepare | 準備する | Screen | 検査する 選抜する |
| Present | 発表する | Search | 検索する |
| Prioritize | 優先する | Secure | 確保する 保護する |
| Process | 処理する | Select | 選択する |
| Produce | 産出する 生産する 製造する 製作する |
Serve | 供給する |
| Propose | 提案する | Settle | 解決する 調停する 確定させる 決定する 清算する 決済する |
| Provide | 提供する | Share | 共有する |
| Purchase | 購入する | Show | 表示する |
| Qualify | 資格を与える 適格とする 適任とする |
Simplify | 単純化する 簡素化する 簡略化する |
| Quantify | 定量化する | Sort | ソートする |
| Query | 問い合わせを行う | Specify | 特定する |
| Receive | 受け取る 受領する |
Staff | 配属する |
| Record | 記録する | Start | 始める 開始する |
| Refer | 参照する | Structure | 構造化する 構築する スケジュール化する |
| Register | 登録する | Submit | 提出する |
| Release | 解放する | Suggest | 提案する 提言する 勧める |
| Replace | 置き換える 置換する |
Supply | 供給する 支給する 提供する |
| Reply | 返信する | Support | 支える 支持する 支援する |
| Report | 報告する | Survey | 調査する 検査する |
| Request | 要求する | Test | テストする |
| Reserve | 予約する | Translate | 翻訳する |
| Resolve | 解決する | Transmit | 転送する |
| Respond | 答える 応答する |
Update | 更新する |
| Return | 返す 戻す 返却する 返品する 返送する 返上する |
Validate | 正当であると確認する 認証する |
| Review | 再調査 再検討する 再考察する 見直す |
Verify | 検証する 立証する 実証する 確かめる 確認する 点検する 照合する |
ビジネスプロセスで使うべきではない動詞
NRS Business Process Standards and Guidelines using BPMN では、ビジネスプロセスで使うべき動詞と共に、使うべきではない動詞も紹介しています。
以下の動詞は、明確さを欠いていたり、継続的に実行される行為を表すために、アクティビティーやタスクの命名には使うべきではないとしています。
| 動詞 (英語) | 動詞 (日本語) |
|---|---|
| Administer | 管理する 運営する 処理する |
| Maintain | 維持する |
| Manage | 管理する |
| Monitor | 監視する |
| Process | 処理する |
ビジネスプロセスは、動詞 + 名詞で書く

ビジネスプロセスマッピング
ビジネスプロセスマッピング (Business Process Mapping) とは、業務プロセスを視覚的に表現することです。ビジネスプロセスマッピングの作成物としてのプロセスマップ (Process Map)は、組織がプロダクトやサービスを完成させるために必要なステップの関連を表し、フローチャートやBusiness Process Modeling and Notation (BPMN) などの表記法を用いて描きます。
システム開発の成果物として作成することもありますが、システム開発とは必ずしも関係しない業務の手順を文書化するために作成することもあります。
プロセスマップの構成要素
プロセスマップは、単純な記述の場合、仕事・作業を意味する「アクティビティー」や「タスク」を示す図形と、それらの間の順序を示す線や矢印で表現されます。より複雑な記述の場合は、条件分岐を示す図形や、入力や出力の文書やファイルなどを示す図形など、その他の要素を加えて表現されます。

アクティビティー名やタスク名は動詞 + 名詞にする
ビジネスプロセスマッピングの厳密な仕様である BPMN 2.0 では、アクティビティーやタスクなどの要素名の規則は特に定めていません。
Business Process Model and Notation (BPMN) Version 2.0
しかし、英語圏でのプロセスマッピングや BPMN のベストプラクティスでは、アクティビティー名やタスク名は、「動詞 + 名詞」で命名すべきと言われています。
Each Activity should be named using a Verb-Noun phrase that is short and meaningful. The verb used should use the present tense and be familiar to the organization. The noun has to be qualified and also of meaning to the business.
(日本語訳)
アクティビティーは、動詞と名詞を組み合わせた短く意味のある語句を使って命名する。動詞は現在形を使用し、組織にとって馴染みのあるものを使用する。名詞は、修飾的でビジネスにとって意味のあるものでなければならない。
Naming Conventions for BPMN Diagrams
Tasks. Tasks should be named in a verb-noun format e.g. Input purchase order data, Read Visio Guidelines.
(日本語訳)
タスク. タスクは、動詞-名詞形式で命名する。例. Input purchase order data (発注データを入力する)、Read Visio Guidelines (Visio ガイドラインを読む)
Introductory Guide to Process Mapping & Modelling - BPM Leader
また、BPMN 2.0 の仕様文書においても、サンプルでは基本的に「動詞 + 名詞」で表現されています。

- Determine Order is Complete
- Check Record of Applicant
- Determine Premium of Policy
- Approve or Reject Policy
- Notify Applicant of Approval or Rejection
アクティビティーやタスクは、多くの場合、ビジネスプロセスの参加者を示す「プール」、「レーン」、「スイムレーン」の中に配置されます。参加者を主語とすると、各プールの中のアクティビティーやタスクは、「主語 (S) + 動詞 (V) + 目的語 (O)」の基本文型になり、英語圏の人にとって理解しやすい表現になっています。
例えば、以下の図の上段のプールの最初のタスクは、Patient が実行するため、"Patient sends doctor request." (患者は医師に診察を依頼する) という英文になります。

日本語だと名詞 + 名詞で書かれることが多い
一方、日本語のプロセスマップは、「名詞 + 名詞」で命名されるケースが多くあります。 例えば、 BPMN 2.0 のサンプルを日本語でよく見かける書き方にすると、以下のようになります。

- 申込完了判断
- 申込人の記録確認
- 保険料判断
- 保険契約の引受または謝絶
- 引受または謝絶の申込人宛通知
判断、確認、引受、謝絶、通知は、すべて名詞です。
日本語のプロセスマップを英訳する時の注意点
先ほどの例のように、「名詞 + 名詞」の形式で書かれた日本語のプロセスマップを英語にすると、英語も「名詞 + 名詞」のアクティビティー名とタスク名になります。このような書き方は、英語であっても英語圏の人には分かりにくい表現になっています。
- Determination of Application Completion
- Verification of Applicant's Record
- Insurance Premium Determination
- Acceptance or Rejection of Insurance Policies
- Notification to Applicant of Acceptance or Rejection
日本語のプロセスマップを英語にする場合は、英訳した結果を「動詞 + 名詞」にしておくと、英語圏の人にも理解しやすい表現になります。
「○○化」を英語にする時の傾向と対策
英語にするのが難しい「○○化」
前回のブログ記事では、英語にするのが難しい言葉として「○○化」を取り上げ、その中でも IT文書でよく使われるものについて訳し方を紹介しました。
「○○化」の中には、"virtualization" と訳される「仮想化」のように単語の対訳があるものもあれば、「API化」のように対訳がないものもありました。
今回は、英語に対訳のない「○○化」を英訳しなければいけない時の注意点と対策をご紹介します。
「○○化」を英語にする時の傾向と対策
書き換える
英語に対訳のない「○○化」の中には、翻訳ツールを使っても適切な訳にならないものもあります。例えば、「IT化」という言葉を使った文章を翻訳ツールにかけたところ、"IT-ize" という英語に存在しない言葉として翻訳されたことがありました。
対訳のない「○○化」は、英語でも意味の通る表現に書き換える必要があります。
「IT化」であれば、"modernize ~ by IT" (IT で ~ をモダナイズする)、"automate ~ by IT" (IT で ~ を自動化する ) 、もしくは近い意味の "digitalize ~" (~ をデジタル化する) のように書き換えます。
その他の対訳のない「○○化」と書き換えは、前回のブログ記事を参考にしてみてください。
パラレリズムを崩さない

パラレリズムとは、同じスタイルの言葉や文章を並べる修辞法です。例えば、箇条書きで名詞だけを並べる、動詞だけを並べる、完全文だけを並べるのもパラレリズムです。パラレリズムにより、統一性を持たせることで、分かりやすく、読みやすい文章になります。
例えば、以下の箇条書きは、日本語だと一見「○○化」で揃えられたパラレリズムになっています。
クラウドネイティブに向けた課題
しかし、これを Google 翻訳にかけると、パラレリズムが崩れています。"virtualization" と "containerization" は、それぞれ「仮想化」と「コンテナ化」と単語による対訳になっていますが、"API conversion" は、2語になっている上に、「API 変換」という意味でもあるので、元の日本語の意味と少し変わっています。また、"cloud" と "microservice" は「○○化すること」ではなく、「○○化された後の状態」の意味になっています。
Challenges for cloud native
- Virtualization
- cloud
- containerization
- API conversion
- microservices
「仮想化」と「コンテナ化」の他は1語にはできませんが、パラレリズムを意識して「○○化」に相当する意味の名詞または名詞句で揃えると、以下のように書き換えることができます。
Challenges for cloud native
- virtualization
- cloud adoption
- containerization
- API integration
- rearchitecting to microservices
過程ではなく、結果で書く

「○○化」は、現状から○○の状態にするための「過程」を表す言葉と言えます。しかし、ここまで見てきたように、英語に過程を表現する言葉がない場合もあります。そういう場合は、「○○化」した後の「結果」で表現した方が分かりやすくなります。先ほどまでの例を結果で書くと、以下のようになります。
Technologies for cloud native
- virtualization
- cloud
- containers
- API
- microservices
「仮想化」については、それ自体が技術の名前のため、"virtualization" のままとしています。その他は、技術名を表す名詞にしています。
英語にする文章ではなるべく「○○化」を避けて、結果に注目して書くと良いでしょう。
英語にするのが難しい日本語⑪「○○化」

IT文書で頻出する「○○化」
IT文書を見ていると、よく「○○化」という表現が出てきます。例えば、「仮想化」や「API化」のような表現です。
デジタルトランスフォーメーション (Digital Transformation: DX) という言葉にあるように、IT やデジタル技術は本質的にビジネスや仕組みを変革していく手段なので、現在から未来への状態の変化を表す「○○化」が使われることは理解できます。
しかし、「○○化」の中には、英語に相当する単語がないものもあり、英訳しにく言葉でもあります。
単語の対訳がある「○○化」
まずは、英語にも単語が存在する「○○化」を見ていきます。代表的なものは「仮想化」で、動詞であれば "virtualize"、名詞であれば "virtualization" と表現します。このような「○○化」は、箇条書きのように単体の言葉としても、そして文章の中で使われていたとしても、ほぼそのまま英訳できます。
動詞形: -ize, 名詞形: -ation,
接尾辞の "-ize" は、形容詞に付加して「~のようになる」や「~化する」という意味の動詞になり、名詞に付加して「~の状態になる」という意味の動詞になります。
IT用語として使われる「○○化」の中で1番多い形態です。
| 日本語 | 英語 (動詞形) | 英語 (名詞形) |
|---|---|---|
| 可視化, 見える化 (する) | visualize | visualization |
| 仮想化 (する) | virtualize | virtualization |
| グローバル化 (する) | globalize | globalization |
| 構造化 (する) | structurize | structurization |
| コンテナ化 (する) | containerize | containerization |
| サービス化 (する) | servitize | servitization |
| システム化 (する) | systemize | systemization |
| 最小化 (する) | minimize | minimization |
| 最大化 (する) | maximize | maximization |
| 最適化 (する) | optimize | optimization |
| 細分化, セグメント化 (する) | segmentalize | segmentalization |
| 正規化 (する) | canonicalize normalize |
canonicalization normalization |
| 直列化 (する) | serialize | serialization |
| デジタル化 (する) | digitalize | digitalization |
| 特化 (する) | specialize | specialization |
| パラメータ化 (する) | parameterize | parameterization |
| 汎化 (する) | generalize | generalization |
| 非直列化 (する) | deserialize | deserialization |
| モジュール化 (する) | modularize | modularization |
動詞形: -ate, 名詞形: -ation
接尾辞の "-ate" は、形容詞に付加して「~させる」や「~する」という意味の動詞になり、名詞に付加して「~にする」という意味の動詞になります。
これらもITの文脈でよく使われます。
| 日本語 | 英語 (動詞形) | 英語 (名詞形) |
|---|---|---|
| アクティブ化, 活性化 (する) | activate | activation |
| インスタンス化 (する) | instantiate | instantiation |
| 永続化 (する) | perpetuate | perpetuation |
| カプセル化 (する) | encapsulate | encapsulation |
| 差別化 (する) | differentiate | differentiation |
| 断片化 (する) | fragmentate | fragmentation |
| 難読化 (する) | obfuscate | obfuscation |
| 非アクティブ化, 不活性化 (する) | deactivate | deactivation |
動詞形: -ify, 名詞形: -ation
接尾辞の "-ify" は、形容詞や名詞に付加して「~の状態にする」という意味になります。
| 日本語 | 英語 (動詞形) | 英語 (名詞形) |
|---|---|---|
| 一元化 (する) | unify | unification |
| シンプル化 (する) | simplify | simplification |
まだ辞書には載っていませんが、一部で日本語の「クラウド化」と同じ意味で、"cloudify" や "cloudification" という言葉も使われてきているため、将来的には一般的な英語になるかもしれません。
その他
その他のひとつの単語で表現できる「○○化」です。
| 日本語 | 英語 (動詞形) | 英語 (名詞形) |
|---|---|---|
| 暗号化 (する) | encrypt | encryption |
| 一本化 (する) | integrate | integration |
| クラスタ化 (する) | cluster | clustering |
| セグメント化 (する) | segment | segmentation |
| 多重化 (する) | multiplex | multiplexing |
| 抽象化 (する) | abstract | abstraction |
| 復号化 (する) | decrypt | decryption |
| 符号化 (する) | encode | encoding |
| 文書化 (する) | document | documentation |
単語の対訳がない「○○化」
ここまで見てきた「○○化」は単語の対訳がありましたが、ここからは英語に相当する単語のない「○○化」を見ていきます。
英語に相当する単語のない「○○化」は、多くの場合、動詞や目的語を組み合わせた言い回しで表現することになります。
| 日本語 | 英語 (動詞形) | 意味 |
|---|---|---|
| API化 | expose ~ as an API publish ~ as an API |
~ を API として公開する |
| IT化 | digitalize ~ modernize ~ by IT automate ~ by IT |
~ をデジタル化する IT で ~ をモダナイズする IT で ~ を自動化する |
| オープン化 | open ~ | ~ を公開する ~ をオープンにする |
| オンライン化 | go online make ~ work online |
オンライン化する ~ をオンライン化する |
| キャッシュレス化 | make ~ cashless | ~ をキャッシュレス化する |
| クラウド化 | adopt cloud move ~ to the cloud migrate ~ to the cloud |
クラウドを導入する ~ をクラウドに持っていく ~ をクラウドに移行する |
| 効率化 | streamline ~ make ~ more efficient |
~ を効率化する |
| 再利用可能化 | make ~ reusable | ~ を再利用可能にする |
| サイロ化 | ~ become siloed | ~ がサイロ化する |
| 自己目的化 | become an activity trap | 自己目的化する |
| 冗長化 | make ~ redundant | ~ を冗長化する |
| スリム化 | slim down ~ streamline ~ |
~ をスリム化する ~ を簡素化する |
| 疎結合化 | make ~ loose coupled decouple ~ |
~ を疎結合にする ~ を分離する |
| ハッシュ化 | hash ~ | ~ をハッシュ値に変換する ~ のハッシュ値を計算する |
| ペーパーレス化 | go paperless | ペーパーレス化する |
| 別データベース化 | separate ~ to a different database move ~ to a separate database |
~ を異なるデータベースに分離する ~ を別のデータベースに移動する |
| マイクロサービス化 | turn ~ to microservices convert ~ to microservices rearchitect ~ to microservices |
~ をマイクロサービスに変える ~ をマイクロサービスに変換する ~ をマイクロサービスにリアーキテクトする |
| メトリクス化 | create metrics | メトリクスを作成する |
| 有料化 | charge for ~ switch ~ to paid services |
~ を有料にする ~ を有料サービスにする |
| リアルタイム化 | make ~ real-time | ~ をリアルタイムにする |
これらの「○○化」は、翻訳ツールを使っても正しい英語にならないことがあります。例えば、「IT化」を使った文章を翻訳ツールで英訳したところ、"ITize" という英語に存在しない言葉を使った文章に翻訳されるケースがありました。
「○○化」を使った文章を英語にする時は、翻訳結果が正しい英語になっていることを確認しましょう。
英語にするのが難しい日本語⑩「ひも付け」
マイナンバーの「ひも付け」問題
最近、マイナンバーこと個人番号に公金受取口座を指定するにあたって、他人や家族といった本人以外の名義の口座が登録されていることが問題になっています。原因としては行政による事務手続きのミスや、家族の中でまだ口座を持っていない子供のマイナンバーに親の口座を登録している例などがあると言われています。
報道ではマイナンバーと口座の関連付けのことを「ひも付け」や「紐付け」と言っており、マスコミだけなく総務省もこの言葉を使っています。
IT業界でよく使われる「ひも付け」
「ひも付け」や「ひも付ける」という表現は、以前より日本のIT業界で使われてきました。例えば、「マイナンバーと銀行口座番号をひも付ける」、「経費申請と請求書のひも付け処理」、「人事システムに Active Directory のユーザーをひも付けてシングルサインオンを実現する」のような言い方をします。
意味としては、識別子や名称によって異なるデータやオブジェクト同士を関連付けることを指しています。
ひもづけ【×紐付け】〘名・ス他〙
あるデータと別のデータを関連づけること。「リストと画像の―」
西尾実他, 岩波 国語辞典 第8版, 岩波書店, 2019.
「ひも付け」は比較的新しい日本語

実は「ひも付け」は、最近まで辞書には載っていない言葉でした。2019年発行の『岩波 国語辞典 第8版』には掲載されていますが、2011年発行の『岩波 国語辞典 第7版 新版』ではまだ掲載されていませんでした。他の国語辞典でも概ね2020年前後に発行された版で、現在の意味で掲載されるようになったようです。
それ以前は「紐付き」という言葉はありましたが、「ひも付け」とは別の意味で使われていました。
ひもつき【×紐付(き)】
①ひもが付いていること。そういうもの。「―のしおり」
②行動がしばられる(結果になる)背後関係があること。「―の援助」「あの女は―さ」
西尾実他, 岩波 国語辞典 第7版 新版, 岩波書店, 2011.
「ひも付け」の方は、国語辞典の文例にコンピュータやデータといった単語を使っていることから想像すると、元々IT業界で特殊な意味で方言的に使われていたところから、後に一般にも広まった言葉であると考えられます。
「ひも付け」は新しい言葉であるが故に英訳しにくい
新しい言葉であることから「ひも付け」を含んだ文章は翻訳ツールを使っても適切な英文にならないことがあります。
例えば、以下の文章を DeepL と Google 翻訳にかけたところ、「ひも付け」を "string" (1列に並べる、ひと続きにする) や "attach" (取り付ける, 添付する) と訳しています。
行政機関が間違って個人識別番号を他人の銀行口座にひも付けてしまった。
DeepL
A government agency mistakenly strings a personal identification number to someone else's bank account.
Google 翻訳
A government agency mistakenly attached a personal identification number to someone else's bank account.
また、以下の文章の場合は、DeepL はやはり "string" と訳していますが、Google 翻訳は「ひも付け」に相当する言葉を使わずに訳しています。
毎月、オペレーション部門では経費申請と請求書のひも付け処理をしている。
DeepL
Each month, the Operations Department processes expense applications and strings together invoices.
Google 翻訳
Every month, the operations department processes expense requests and invoices.
"attach" は文脈が明確であれば意味が伝わると考えられます。一方、"string" は比喩的な表現として理解されることもあるかもしれませんが、日本語の「ひも付ける」の意味を表す英文にはなりません。
「ひも付け」の訳し方
「ひも付け」の英訳としては、"link" や "linkage" が相当します。"link" は「複数のものを接続する」、"linkage" は「接続」や「繋がり」の意味になります。
例えば、英字新聞の The Japan Times も今回のマイナンバーに関する報道では "linked" と表現しています。
The Digital Agency has also revealed a different kind of glitch in the system. According to the agency, nearly 55 million people have included their bank accounts as part of their My Number registration. However, at least 130,000 bank accounts linked to My Number accounts and set up to receive state benefits belong not to the cardholders but to their family members. Apparently, in most cases parents used their own bank details when registering their children. In several hundred other cases, completely different individuals’ information — the wrong person — was registered.
(日本語訳)
デジタル庁は、また別の種類のシステムの不具合も明らかにした。同庁によると、約5,500万人がマイナンバー登録時に銀行口座を申告している。しかし、国からの給付金を受け取るためにマイナンバーのアカウントにひも付けられた少なくとも13万件の銀行口座は、カード所有者ではなく、その家族のものになっている。どうやら、そのほとんどは、親が子供のマイナンバー登録をした際に、自分の銀行口座を登録したケースと見られる。また、数百件のケースでは、まったく別の個人の情報、つまり人違いで登録されていた。
また、「関連(付ける)」という意味の "associate" や "association" と表現することもできます。
"link" は、ケーブルなどによって物理的に繋がっていたり、C言語の実行モジュールを作成するリンク処理やHTML のハイパーリンクのようにプログラムで繋がりが定義されているようなニュアンスであるのに対して、"associate" は、Unified Modeling Language (UML) の関連線のように概念的に結び付けられているようなニュアンスがあります。
先ほどの文章をそれぞれ "link" を使って英訳すると、以下のようになります。
The government agency mistakenly linked a personal identification number to someone else's bank account.
Each month, the Operations Department processes the linkage of expense reports with invoices.
翻訳ツールも文章や文体によっては「ひも付け」を "link" や "linkage" と英訳したケースがありました。「ひも付け」が国語辞典にも掲載されている現在、翻訳ツールもいずれ学習の結果として適切な英語にしてくれると思われます。しかし、「ひも付け」以外にも、まだ一般化していない、または一般化して間もない言葉を含む文章を英訳する際には注意が必要です。





