"Lessons and Learned" ではなく "Lessons Learned"

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Lessons Learned 〜 経験からの学び

プロジェクトの事例紹介などで、そのプロジェクトから得られた経験を "Lessons Learned" と題して共有することがあります。アジャイル開発で言うところのレトロスペクティブ (ふりかえり) に相当し、Project Management Body of Knowledge (PMBOK) でもプロジェクトのプロセスをより良くするための手法として定義されています。

Lessons Learned. The knowledge gained during a project, which shows how project events were addressed or should be addressed in the future, for the purpose of improving future performance.
Project Management Institute, Inc., "The standard for project management and a guide to the project management body of knowledge (PMBOK guide) Seventh Edition", (Project Management Institute, Inc., 2021).
(日本語訳)
教訓 プロジェクトから得られた知識のこと。今後のパフォーマンス改善のために、プロジェクトのイベントにどのように取り組んだか、あるいは将来どのように取り組むべきかを示す。
Project Management Institute, Inc., (著), 一般社団法人 PMI日本支部 (監訳): プロジェクトマネジメント知識体系ガイド (PMBOK(R)ガイド) 第7版 +プロジェクトマネジメント標準, 一般社団法人 PMI日本支部, (2021).

日本語では「学んだ教訓」もしくは短く「教訓」になるのですが、直訳っぽいぎこちなさのためか、日本語の資料でも英語で "Lessons Learned" と書かれることが多いように思います。

Lessons learned - Wikipedia

学んだ教訓 - Wikipedia

Lessons and Learned は使わない

前の会社に在籍していた時に、"Lessons Learned" ではなく "Lessons and Learned" と書かれた資料をよく目にしました。白状すると私自身も長いこと "Lessons and Learned" と書いていました。

しかし、lesson は名詞、learned は形容詞なので、通常は同じ品詞を繋ぐのに使う and で連結すると英語圏の人には違和感のある表現になります。

他の会社でも "Lessons and Learned" を使うことがあるのか、少し google で検索してみましたが、あまりヒットしませんでした。
もしうちの会社でも "Lessons and Learned" と書いているのをよく見かけるよ!という方がいたらご連絡ください。